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【新NISAになって何が変わる?】知っておくべきポイントと、おすすめの投資について解説

2022年12月24日

なべちゃん【nabechag】

関西在住40代の2人の子持ち、西日本を中心に仕事で飛び回っている。 高校は京都、大学は大阪、就職は関東、回り回って今は関西に居住中。 趣味は家電量販店巡りとホームセンター巡りと旅行、そして投資。 嫌いなものは虫。 自分の生活が少しでも良くなればと、日々情報を模索中。 ※トップページの写真は故郷の天橋立

こんにちは、なべです。

皆さんは「NISA制度」を利用して積立投資をしていらっしゃるでしょうか?

NISA(少額投資非課税制度)とは投資信託や個別株等の売却益や配当金に掛かる税金の優遇制度ですが、この現行のNISA制度が2024年から一新されることが報道されました。

かく言う僕もNISA制度の1つである「つみたてNISA」を使って米国株の投資信託に頑張って積立投資しています。

NISA制度が一新されるというニュースを聞いて、「今積み立てている投資信託はどうなるんだろう?」とか「自分たちに有利なように制度が変わるの?」などの疑問が頭をよぎった方も多いのではないでしょうか?。

そこで、この記事では新しくなる「新NISA制度」についての解説と、おすすめの投資方法について僕なりに考えている結論をお伝えしたいと思います。

皆さんの資産形成のお役に立てれば幸いです。

この記事で分かること

・新NISA制度になって何が変わるのか

・新NISA制度での知っておくべきポイント

・今後のおすすめの投資方法

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1.現行のNISA制度について

まずは現行のNISA制度について簡単におさらいします。

1−1.一般NISA

一般NISAとは年間120万円までの投資元本に対して得た売却益や配当金について、通常は約20%の税金が掛かるところ最長5年間非課税になる制度です。つまり、最大120万円×5年間=600万円を非課税で運用することができます。

この5年間の非課税期間が終了した後は、特定口座等の課税口座へ移管することも出来ますが、手続きを行えば再度新たな5年非課税枠に移管することも出来ます。この手続きのことを「ロールオーバー」と呼びます。

一般NISAのもう一つの特徴としては、投信信託だけでなく個別株や上場投資信託(ETF)、REIT(不動産投資信託)といった幅広い対象に投資が出来る点です。

投資対象の選択肢が広いのは一般NISAの利点です。

1−2.つみたてNISA

つみたてNISAとは年間40万円までの投資元本に対して得た売却益や配当金について、最長20年間非課税になる制度です。よって最大40万円×20年間=800万円の元本に対して得た運用益が非課税になります。

一般NISAと異なる点は、年間の最大投資額が40万円と少ない代わりに最長20年間という長期間非課税で運用できるという点です。

更に、つみたてNISAで投資できる対象については、金融庁が選定した投資信託及び上場投資信託(ETF)に限定されます。なので、投資できる範囲が狭いという点も一般NISAと違うところです。とは言え、つみたてNISAで投資できる対象は保有コストが低いインデックスファンドをはじめ、長期投資を前提に厳選された金融商品なので、なるべくリスクを抑えた資産形成をしたい方や初心者の方に向いている制度と言えますね。

1−3.ジュニアNISA

ジュニアNISAはその名の通り、自分のジュニア(子供)の為のNISA制度です。子供1人につき1口座開設することができ、年間80万円までの投資元本に対して得た売却益や配当金について、最長5年間非課税になる制度です。

ジュニアNISAについても一般NISAと同様に、5年間の非課税期間が終了してもロールオーバー(新たな5年間の非課税枠へ移管)することができます。

ただし、ジュニアNISAの場合は子供が18歳になるまでは、特段の事情がない限り原則売却することが出来ません。

ジュニアNISAの目的は、子供の将来に向けての長期資産形成という側面があるので、このような制限が設けられているのですね。

 

2.新NISAの変更点

2024年から一新される新NISA制度については一般NISAが「成長投資枠」に、つみたてNISAが「つみたて投資枠」とそれぞれ名称が変更されます。

また、従来のNISA制度については「一般NISA」と「つみたてNISA」を併用することが出来ず、NISA口座を作るときにどちらかを選択しなければなりませんでした。新NISA制度ではこの一般NISA改め「成長投資枠」とつみたてNISA改め「つみたて投資枠」の併用が可能になります。

尚、ジュニアNISAについては2023年12月31日をもって制度が廃止になることが決まっています。

新NISA制度になることで今後どのように変わるのかをまとめました。

2−1.「一般NISA」と「つみたてNISA」が一本化

新NISA制度に変わることで、現一般NISAと現つみたてNISAの名称が変わり「新NISA」として一本化されます。

前一般NISAは「成長投資枠」、前つみたてNISAは「つみたて投資枠」という名称になります。

2−2.年間投資枠と非課税期間の変更

新NISA制度の「成長投資枠」と「つみたて投資枠」の年間投資枠と非課税期間が大幅に変更になります。

・成長投資枠

成長投資枠では一般NISAの年間120万円までだった年間投資枠が240万円まで拡大され、最長5年間だった非課税期間が無期限になります。

投資できる銘柄についても一般NISAと同様、投信信託や個別株といったものが対象になる見込みです。ただし、レバレッジ型といったリスクが高く長期投資に向いていない銘柄については対象外となります。

・つみたて投資枠

つみたて投資枠ではつみたてNISAの年間40万円までだった年間投資枠が120万円まで拡大され、最長20年間だった非課税期間が無制限になります。

投資できる銘柄についてはつみたてNISAと同様、手堅いインデックスファンドが対象となる見込みです。

2−3.非課税限度枠が1,800万円まで

非課税で運用できる金額が1人あたり1,800万円までという非課税限度額が設けられます。この1,800万円という非課税限度額は「成長投資枠」と「つみたて投資枠」を足した合計になります。

尚、この非課税限度額1,800万円のうち成長投資枠で使えるのが1,200万円までという制限があります。

成長投資枠を最大限に使う場合は成長投資枠:1,200万円でつみたて投資枠:600万円というパターン、積立を優先したい場合は成長投資枠:200万円でつみたて投資枠:1,600万円というパターンといった具合に、成長投資枠で1,200万円を超えない範囲で利用する必要があります。

2−4.NISA制度の恒久化

「一般NISA」については2023年まで、「つみたてNISA」は2042年までと制度が使える期間が決まっていたのですが、「新NISA制度」ではこのような期間が設定されませんので、事実上ずっと使える制度となります。

 

3.新NISA制度で知っておきたいポイント

 現行NISA制度からかなり変貌を遂げる新NISA制度ですが、今後新NISA制度を利用するうえで知っておくべきポイントをまとめました。

3−1.現行NISA制度と新NISA制度は分離される

現行のNISA制度と新NISA制度は全く別物の制度となりますので、現行のNISA制度を利用して投資している金額については、新NISA制度の非課税限度枠にカウントされません。なので、例えば一般NISAで年間の最大投資枠を満額使っていたとしても、新NISA制度の非課税限度枠を満額使えるということになります。

現行の一般NISAやつみたてNISAで保有している資産を新NISAに移行できるのか?等、まだ疑問点は残っていますが、詳細についてはまだ発表されていません。この点については情報が入り次第共有させて頂ければと思います。

いずれにせよ、まだ制度が使える今のうちに一般NISAを始めておくのがベターです。

3−2.途中で売却しても非課税限度額まで再投資できる

非課税限度額1,800万円分投資を行った後に途中で売却したとしても、1,800万円の非課税限度額の枠内で投資を続けることが出来ます。なので、例えば1,800万円分の資産形成が出来た後に途中で1,000万円分売却して非課税の恩恵を受けた後でも、売却して空いた1,000万円分の枠を新たに非課税枠として使うことができるわけです。これまでの制度ではこれが出来ませんでした。

ただし、年間の最大投資枠以上に投資することは出来ません。

4.新NISA制度のメリット・デメリット

新NISA制度について、現時点で考えられるメリット及びデメリットをまとめました。

4−1.新NISA制度のメリット

・年間でより大きく投資できる

年間の最大投資枠が成長投資枠(旧一般NISA)とつみたて投資枠(旧つみたてNISA)共に拡大されたのが、やはり大きなメリットと言えます。これまでの最大投資枠では投資しきれなかった投信信託や株を特定口座で購入していた方にとっては、待ち望んだ改正と言えるでしょう。

・長期投資による複利効果

非課税期限が無期限となったことで、特に若いときからコツコツと少額で長期間積立投資を行いたいというニーズに非常にマッチすると思います。投資は時間を掛けて行うほど複利効果の恩恵が大きくなるので、これは非常に大きなメリットです。

・多様な投資スタイルに対応

成長投資枠(旧一般NISA)とつみたて投資枠(旧つみたてNISA)が併用できる為、コツコツとインデックス投資を行いながら個別株で利益を狙うという投資手法に非課税で対応が出来ます。有名なデイトレーダーの方のような何百万・何千万のデイトレードみたいなことは流石に成長投資枠では出来ませんが、幅広い投資対象の中から自分の好きな銘柄を選ぶことが出来ます。

4−2.新NISA制度のデメリット

・あくまで長期投資向きの制度

多様な投資スタイルに対応できる制度ではありますが、あくまで長期投資を前提とした制度には変わり有りません。投資経験が豊富で様々な情報を駆使して個別株で利益を上げられるスキルをお持ちの方であれば、この制度の枠内で利点を最大限活かすことができるかもしれません。

ただ、アクティブ運用はインデックス運用には勝てないという現実がある以上、コツコツとインデックスファンドを長期で積み立てていくスタイル以外はあまり推奨は出来ません。

 

5.おすすめの投資方法について

 新NISA制度では「成長投資枠」と「つみたて投資枠」が併用出来るため、この2本柱を上手に活用するのがポイントです。

5−1.「つみたて投資枠」を最大限活用する

新NISA制度に変わっても、やはり長期の積立投資を資産形成の軸にすることが一番重要です。今回年間の投資枠が40万円から120万円に拡大されましたので、まずはこの枠をご自分のリスク許容度の範囲内で最大限活用するようにしましょう。

「つみたて投資枠」で投資出来る対象は「つみたてNISA」と同様金融庁が厳選したインデックスファンドが中心になるかと思います。その中で手数料が低い優良なインデックスファンドを選択してください。

おすすめのインデックスファンド

  • eMAXIS Slim 米国株式(S&P500):管理費用 0.0968%
  • 楽天 全米株式インデックスファンド:管理費用 0.162%
  • eMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー):管理費用 0.1144%

すでに投資を継続している方も、これから投資を始める方も、まずは上記から選んでみては如何でしょうか。

投資枠が拡大されたからといって無理をしないで、長期継続を優先することが大切です。「継続は力なり」ですね。

5−2.「成長投資枠」で少し遊ぶ

「成長投資枠」では年間の最大投資枠が240万円ありますが、正直「つみたて投資枠」の最大投資枠を使い切った後に「成長投資枠」の最大投資枠を使い切れる方は限られると思います。例え、生活を切り詰めて何とか資金を確保出来たとしても、そんな状態で「成長投資枠」を使うのはおすすめ出来ません。万が一まとまったお金が必要になった場合、「成長投資枠」で含み損を抱えてしまっている状態であっても売却せざるを得なくなるからです。

なので、例えば日本や米国の個別株を少しだけ購入してお小遣い程度に利益を得る等、全て無くなっても生活に支障が出ないぐらいの範囲で「遊び」程度にとどめておくことを強く推奨いたします。

インデックスファンド以外への投資で勝ち続けるのは本当に難しいです。これは僕の経験上でもハッキリ言えることです。

なので、着実に資産を増やしていきたい方は「成長投資枠」で買いたい銘柄が有る場合を除いて、この枠での積極的な投資は避けた方が無難です。

5−3.「成長投資枠」で配当金を非課税で受け取る

「成長投資枠」で高配当株を購入して配当金を非課税で受け取るという使い方も出来ます。

1年の最大投資枠240万円分で利回り6%の高配当株を購入した場合、特定口座であれば年間で得られる配当金¥144,000から約20%の税金(¥28,800円)が差し引かれますが、これが非課税になりますので配当金¥144,000円をそのまま得ることができます。

「成長投資枠」の非課税限度額は1,200万円なので、最短5年間の投資で1,200万円にまで到達することが出来れば、利回り6%の銘柄であれば年間の配当金¥720,000円を非課税かつ無期限で受け取れる計算になります。本来であればこの場合、年間の税金が¥144,000円にもなりますので、年数が経つほどに差が開いてきます。これはかなり大きいですね。

年間で240万円を高配当株に投資するのは中々厳しいですが、投資目的がインカムゲインの獲得である方にとってはかなりお得な制度と言えるでしょう。

 

6.まとめ

以上、新NISA制度について知っておくべきポイントやおすすめの投資方法についてお伝えしてきました。

新NISA制度は今までのNISA制度にあった不満点や使い勝手の悪さを改善した、我々一般投資家にとってかなり有利な制度に生まれ変わります。

是非、この制度を上手く活用して今後の資産形成を進めていきましょう。

ありがとうございました。

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関西在住40代の2人の子持ち、西日本を中心に仕事で飛び回っている。 高校は京都、大学は大阪、就職は関東、回り回って今は関西に居住中。 趣味は家電量販店巡りとホームセンター巡りと旅行、そして投資。 嫌いなものは虫。 自分の生活が少しでも良くなればと、日々情報を模索中。 ※トップページの写真は故郷の天橋立

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