こんにちは、なべです。
最近ではワイヤレスイヤホンがすっかり主流となってきていますが、音楽を良い音で聴こうと思ったらやっぱり有線イヤホンですよね。
数あるイヤホンメーカーの中でも特に有名なメーカーの1つが「SENNHEISER(ゼンハイザー)」。
今回はそのゼンハイザーから発売された最新イヤホン「IE200」の購入レビューです。
IE200は「デュアルチューニングシステム」という独自の機構を搭載しており、1つのイヤホンで2種類の音を楽しめるという優れもの。
もちろん天下のゼンハイザーというだけあって、音質の良さも折り紙付き。
しかも、そんなゼンハイザーの最新イヤホンが比較的お手頃価格で手に入るとなれば、これは購入しない手はないですよね。
買って絶対に後悔しないイヤホンだと思いますので、購入を悩まれている方は是非チェックしてみて下さい。
こんな方におすすめ!
・音質の良い有線イヤホンを探している
・予算は2〜3万円ぐらいで考えている
・ゼンハイザーのイヤホンを気軽に試したい
1.SENNHEISER(ゼンハイザー)とは
SENNHEISER(ゼンハイザー)はドイツに拠点を置く1945年創業の老舗音響機器メーカーです。イヤホンやヘッドホンだけでなくマイクやワイヤレスのシステムなど、そのクオリティの高さから音楽製作や映画製作等の現場でもゼンハイザーの製品が広く使われています。プロのミュージシャンからの評価も高く、イヤホン好きなら1つは持っていたいイヤホンメーカーですね。
ゼンハイザーのイヤホンの特徴は下記の2点です。
一貫してダイナミックドライバーを採用
ゼンハイザーはイヤホンからヘッドフォンに至るまで、一貫してダイナミックドライバーを採用し続けています。最近の高音質のイヤホンはBAドライバー(バランスドアーマーチュアドライバー)、もしくはBAドライバーとダイナミックドライバーを両方使ったハイブリッドタイプが多い印象ですが、ゼンハイザーは高級モデルからエントリーモデルまで全てダイナミックドライバー1つにこだわり続けています。
一般的にダイナミックドライバーは低価格なイヤホンに採用されていることが多いですが、ゼンハイザーは長年培ってきた技術力でダイナミックドライバーの利点を最大限に活かすことで、BAドライバー搭載イヤホンに勝るとも劣らない製品を生み出すことを可能にしました。ダイナミックドライバーを極めし者、それがゼンハイザーであり高音質の神髄です。
豊かで品のある低音
ゼンハイザーのイヤホンの特徴は何と言っても豊かな低音です。ただ単に「ドンッ・ドンッ」といった鳴り響く重低音ではなく、品があって聴きやすい綺麗な低音なのでとても心地よいです。高音側が籠もっているかと言えば決してそんなことはなく、クリアで解像度も高いです。この辺の全体的なバランスの良さについてもゼンハイザーならではですね。
2.IE200の特徴
今回発売されたIE200に搭載されている技術は以下の通りです。
2−1.TrueResponseトランスデューサー
IE200にはゼンハイザーが開発した高音質技術の1つ「TrueResponseトランスデューサー」を搭載した7mm径ダイナミックドライバーが採用されています。名前からして凄そうですね。
この「TrueResponseトランスデューサー」はゼンハイザーのハイエンドモデルにも搭載されている技術で、IE200に合わせてチューニングされています。
そのようなモデルと同等の音質をこのIE200で楽しむことが出来るのは嬉しいですね。
2−2.アコースティックフリース
IE200のノズルの先端には空気の流れを綺麗にする「アコースティックフリース」というフィルターが搭載されています。これにより刺さるようなキンキンとした高域帯を滑らかにし、聴きやすいシルキーな高音に仕上がるそうです。長時間使っていても快適にリスニング出来そうですね。
2−3.レゾネータチャンバー
IE200にはマスキング効果を抑える「レゾネータチャンバー」が搭載されています。
マスキング効果とは複数の同じ周波数帯域の音が重なってしまうことで、音がかき消される現象のこと。音がマスク(覆われる)されて一方の音が聞こえなくなるという意味ですね。
「レゾネータチャンバー」は空気を取り入れる際の高周波帯域の騒音を低減する機構で、発生した騒音で高音をかき消されないよう制御しているわけです。せっかく独自技術で美しい高音を得ようとしているのに、かき消されたら元も子もないですからね。
「アコースティックフリース」と組み合わせることでより高音の質が向上します。
2−4.アコースティックバックボリューム
ゼンハイザーで忘れてはならないのがやはり低音。この点についても抜かりなく、IE200には上位モデルにも搭載されている「アコースティックバックボリューム」という機構を備えています。
この機構はイヤホン本体の内部に備わっていて、空気の流れをコントロールすることで低域と中域を歪みなく綺麗に鳴らすことが出来るようになるそうです。
これによって豊かなで上品な低音だけでなく、ボーカルなどの中域帯についても高音質で聴くことができます。
まさに、三拍子揃ったイヤホンだと言えますね。
2−5.デュアルチューニングシステム
今回のIE200で搭載されている目玉機能がこの「デュアルチューニングシステム」です。
ハイエンドイヤホンには本体に自分好みのチューニングに微調整できる機能が備わっているものが存在します。ゼンハイザーの「IE80S」は本体にダイヤルが備わっていて、それを回すことで低音の量感を自分好みに調整することができます。また、SHUREの「SE846」はノズルを専用工具で取り外して、中の「ノズルインサート」という部品を交換することで3パターンの音質傾向に微調整することができます。どちらも所有していますが、面倒くさくて気分に応じて調整みたいなことはしていません。
IE200の「デュアルチューニングシステム」はイヤホンのノズルに特殊な機構を採用することで、イヤーピースの位置を変えるだけで気軽に低音の量感を変化させることが出来ます。
イヤーピースの位置は「浅く」と「深く」の2ポジションなので、音質の変化は2種類しか選択出来ませんが気軽に調整できるのは良いですね。早速試してみます。
3.IE200を開封
それではIE200を開封していきます。
3−1.パッケージング
とても格好いい箱ですね。名門ブランドのイヤホンは箱が比較的大きめです。
箱を引き出すとこんな感じ。いきなりIE200が出現するので、この時点でとてもテンションが上がりますね。
3−2.同梱物
同梱物は下記の通り。
- IE200イヤホン本体
- 3.5mmイヤホンジャックのブレードケーブル
- シリコンイヤーピース(S/M/L)
- フォームタイプイヤーピース(S/M/L)
- キャリングポーチ
3−3.イヤホン本体
イヤホン本体はマットな質感で比較的落ち着いた雰囲気の見た目をしています。樹脂製のボディなのでとても軽いです。長時間付けていても重さで疲れるというような心配は無さそうです。
形はいわゆる「シュア掛け」を前提としたイヤモニの形をしています。遮音性も高そうですね。
ゼンハイザーのイヤホンは「L:左」「R:右」がすぐ分かるように「R:右」に赤い印が付いているのが特徴です。
イヤホン本体にはMMCX端子を搭載しているので、ケーブルの着脱が容易に行えます。
ただし、このMMCX端子はゼンハイザーの独自形状で少し奥まった位置にあります。なので普通のMMCXコネクタを搭載しているケーブルでは接続することが出来ません。
手持ちのMMCXケーブルを使うことが出来ないのが難点ですね。
3−4.ケーブル
ケーブルは鎖のように編み込まれたブレードケーブルを採用しています。ブレードケーブルを採用することで見た目がスタイリッシュなだけでなく、ケーブルが衣類等に擦れた時に発生するタッチノイズの軽減にも一役買っています。
プラグは3.5mmのL字形を採用。
ケーブルの分岐長さを調整できるようスライダーも搭載。ただ透明な筒が有るだけのかなりシンプルな構造です。ブレードケーブルの外観を損ねないようにするためでしょうか。ちょっと安っぽい印象を受けます。
ケーブルの耳掛け部分は形状記憶となっていて、耳の付け根のカーブに沿ってフィットしてくれます。
イヤホンとの接続部分はMMCX端子なのですが、一般的なMMCX端子と比べて先端部分が長いという独自形状です。
3−5.イヤーピース
イヤーピースはシリコンタイプのものがS・M・Lの計3サイズ(Mは最初からイヤホンに装着済み)、フォームタイプ(低反発)のものもS・M・Lの計3サイズが付属しています。
実はゼンハイザー独自技術の「レゾネータチャンバー」機構はこのイヤーピースに備わっています。なので、サードパーティー製の別のイヤーピースを使ってしまうと、IE200の本来の実力が発揮出来ないということになります。
ちなみに僕はフォームタイプの方が好みなので、そちらを使っています。
4.IE200のレビュー
僕はすでにIE80Sを持っていたのですが、IE80Sと比べてIE200はどれぐらい音が良いのか、比較しながらレビューしたいと思います。
ちなみに視聴環境は愛用の「iFi audio Go blu」を使用します。
4−1.ゼンハイザー IE80S
低域調整ダイヤルは最小にしての感想です。和楽器バンドの曲が好きなので、イントロから低音が鳴り響く「起死回生」を聴いてみます。
IE80Sで音楽を鳴らした瞬間まず感じるのがズンズンと盛り上がってくる分厚い低音。情報量も非常に高く、まさにゼンハイザーらしい膨よかな低音を楽しむことができます。もちろん中高音域についてもしっかりと鳴らしてくれてはいますが、どちらかというと高音が低音に若干負けてしまっているような印象です、音場はそこそこ広いかなという感じ。
ロックなどの楽曲を迫力のある低音で聴きたい!という方はドンピシャでハマるイヤホンかと思います。
一方、耳への装着感についてはSHURE等のイヤホンと比べると若干劣るかなという印象ですね。IE80SもケーブルをSHURE掛けするのですが、カーブ部分が形状記憶ではないので耳に掛けたケーブルが垂れてきたりすることが有ります。
総合評価
【IE80S】
情報量が多く分厚い低音
高音域が若干弱い
装着感はもう一つ
4−2.ゼンハイザー IE200
次にIE200のレビューです。
IE200には前述した「デュアルチューニングシステム」という機構が搭載されています。イヤーピースを浅く取り付ける「オープンポジション」と、イヤーピースを奥まで差し込む「クローズポジション」の2パターンで低音の量感を変化させることができます。
ノズルの先端にある穴と溝がこの機構のキモとなる部分です。イヤーピースを浅く取り付けることで穴から溝へ自然に空気が抜けるので、まるでオープン型のような開放感のある音質に変化させることができるわけです。
・IE200 クローズポジションで聴く
それではまずはクローズポジションから。
IE200でIE80Sで聴いた楽曲達を聴いてみると、低域・中域・高域のバランスが一気に良くなったことが直ぐに分かりました。IE80Sと比べてとにかく高音域が綺麗で、音の見通しがかなり良くなった印象です。IE80Sのようにズンズンと迫力のある低音では有りませんが、聴きやすく上品なまとまりのある低音という感じですね。音場もパーッと広くなったように思います。
IE80Sと比べてかなり音質の変化を感じました。ただ、全体的なバランスと音の綺麗さは正直IE200が勝っていると思います。
装着感についてもIE80SよりもIE200が断然良いです。耳の穴にしっかりとフィットするので遮音性も良く、耳から落ちそうになるようなことは全く有りません。ブレードケーブルは形状記憶の部分が耳のカーブにしっかりと沿ってくれるので、取り回しも良いです。
・IE200 オープンポジションで聴く
次にオープンポジションで聴いてみます。
オープンポジションにすると抜けが良くなり、低音の質感が抑えられて更に聴きやすくなります。より全体的にフラットな音質傾向なので、アコースティックな楽曲やライブ音源をオープンポジションで聴くとよりリアルに感じられるのではないでしょうか。
イヤーピースを浅く取り付けることでイヤーピースが耳の中で外れて残ってしまうのでは?という心配が有りましたが、IE200のノズル先端のフランジ部がイヤーピースの穴の凹みに引っ掛かるようになっているので、イヤホンのノズルからイヤーピースが外れにくいよう配慮がなされています。
ただ、オープンポジションの状態で耳にぐいぐいイヤホンを押しこんでしまうと、イヤーピースの位置が変わってクローズポジションになってしまうので、装着時には少し気を使う必要がありますね。
総合評価
【IE200】
低音・中音・高音のバランスが抜群
綺麗で伸びのある高音
デュアルチューニングシステムが秀逸
耳にしっかりフィットする装着感
本体価格だけで考えるとIE200はIE80Sと比べると1万円以上安いモデルなのですが、実力とポテンシャルはそれ以上だと感じました。僕は他にも約10万円ほどするSHUREのSE846を使っていたりしますが、しばらくIE200をヘビロテで使っていきたいと思います。それぐらいお気に入りのモデルになりました!
5.まとめ
以上、ゼンハイザーIE200についてのレビューをお伝えしました。
IE200はゼンハイザーのエントリーモデルながら、非常にバランスの良い万能なモデルだと思います。ゼンハイザーには更に上位のハイエンドモデルが存在していますが、2〜3万円の価格帯のIE200でこの実力か〜と思うと、かなり上位モデルに興味が沸いてきますね!
今すぐはちょっと手が出ませんが、いつか手に入れて更なるゼンハイザーワールドに浸ってみたいですね。
おっと、これがイヤホン沼というやつですか、深みにはまらないように気を付けます。
それでは!