こんにちは、なべです。
先日も瀬戸内海に浮かぶ島である「直島(香川県香川郡)」に行ってきました。
旅行では無く出張なのですが。
「直島」には10年以上定期的に仕事で行っているのですが、悲しいことに正直仕事以外で行ったことが有りません。
今回は、仕事で何回も訪れる「直島」の中で見てきたこと・感じたことを記事にまとめて皆さんにお伝え出来ればと思います。
1.直島とは
「直島」は香川県香川郡直島町に属する島で瀬戸内海にあります。直島周辺にもいくつかの島があるのですが、直島町で一番大きな島が「直島」です。
都道府県 | 香川県 |
人口 | 約3,000人 |
面積 | 約14平方キロメートル |
基幹産業 | 金・銀・レアメタル等の製造、 海苔等の海産物養殖 |
直島の主な特徴は次の通りです。
1−1.アートの島
直島と言えばやはり「アート」。
直島には至る所に大・中・小のアーティスティックなオブジェが屋外に設置されており、自由にそれらを鑑賞することが出来ます。
また、島内には美術館も数件点在していて、建物の設計は世界的に有名な建築家である安藤忠雄さんが全て手がけているそうです。
他にも古民家を改修して美術作品として展示しているなど、島全体が一種の美術展となっています。
外国人の観光客の方も多く、まさに世界中から注目されている島とも言えますね。
1−2.宿が豊富
直島は海外からも注目されている観光地ということもあって、宿が2023年1月現在で62軒もあります。(詳しくはこちらをクリック)
直島の宿泊施設で一番有名なのが「Benesse House(ベネッセハウス)」でしょうか。この建物についてももちろん安藤忠雄さんが設計されています。
1−3.海の幸が豊富
直島は海苔や鮮魚の養殖が盛んで、島内では様々場所で海の幸をふんだんに使った料理を楽しむことが出来ます。海の幸以外にもお洒落なカフェが点在しているので、食で飽きることもありませんね。食事が出来る場所は2023年1月現在で55軒あります。(詳しくはこちらをクリック)
また、島内では直島でとれた美味しい海苔などの海産物をお土産として買うこともできます。僕も行く度に買って帰ってますが、とても美味しいですよ。特に色々な種類の味ごとにパッケージングされた海苔がおすすめ。
1−4.塩の島
大昔から直島は塩の生産が盛んで、製塩が主要産業の1つだったそうです。その当時より変わらないのが「完全天日塩」へのこだわり。
天日塩とは海水を太陽の熱だけで蒸発させて作る塩のことで、海水に含まれるミネラル分による深い味わいが特徴です。
一般的に売られている塩は海水を釜で煮詰めて作る為、この時に海水中のミネラル分が壊れてしまいます。日本では雨や湿気が多いので、天日塩作りには適しておらず、国内では生産できるところも限られているそうです。
直島では瀬戸内海から汲んだ海水を太陽の熱だけで蒸発させているので、製品になるまで約1ヶ月も掛かるそうです。
そうして出来た塩がその名も「SOLASHIO(ソラシオ)」。
お土産としてももちろん購入することが可能です。
1−5.黄金の島
直島は「黄金の島」としての側面も持っています。
島内には金・銀・プラチナ等の貴金属やレアメタル等を製錬(取り出す)している「三菱マテリアル株式会社 直島製錬所」があります。
ここで製錬されている金は100年以上の歴史を持つ「三菱の金」として世界中で高い評価を得ており、ロンドン貴金属市場協会(LBMA)の厳正な国際審査基準をクリアしています。
三菱のマークが入った金地金はこの直島製錬所で製錬された金になります。
これが直島が「黄金の島」と言われる所以ですね。
2.直島へのアクセス
直島へのアクセスです。
直島へは「四国汽船」というフェリーに乗って、香川県の「高松港」もしくは岡山県の「宇野港」から直島島内の「宮浦港」・「直島(本村)港」・「風戸(せと)港」の各港へ行くことで上陸できます。
ただし、「風戸(せと)港」へ向かうフェリーは三菱マテリアルへ仕事に行く車両ばかりで一般客は乗車不可です。なので「風戸(せと)港」へ観光で行くことは出来ません。(逆に三菱マテリアルへ仕事の車で行く場合は、場所が近いのと乗船料が少し安いのでこちらの方がおすすめです)
こちらが風戸港行きの乗り場です。
風戸港行きのフェリーに乗車する場合はこちらの切符売り場になります。
「宮浦港」及び「直島(本村)港」へ行くには下をご参考下さい。
2−1.公共交通機関でのアクセス
公共交通機関(徒歩)で行く場合についてまとめました。尚、直島(本村)港行きのフェリーについては徒歩のみ(自転車・自動車は乗船不可)となります。
・宇野港→宮浦港or直島(本村)港へ行くルート
- 「岡山駅」から【JR瀬戸大橋線・児島行き】に乗車して「茶屋町駅」で一旦下車(所要時間約20分)
- 【JR宇野みなと線・宇野行き】に乗り替えて終点「宇野駅」で下車(所要時間約25分)
- 「宇野駅」から徒歩10分で「宇野港」へ
- 「宇野港」から【四国汽船・宮浦or本村行き】へ乗船、「宮浦港」or「直島(本村)港」で下船(所要時間約20分)
・高松港→宮浦港or直島(本村)港へ行くルート
- 「高松駅」から徒歩10分で「高松港へ」
- 「高松港」から【四国汽船・宮浦or本村行き】へ乗船、「宮浦港」or「直島(本村)港」で下船(所要時間約50分)
2−2.乗用車でのアクセス
乗用車も一緒に乗船できるのは宮浦港行きフェリーになります。
尚、各港には駐車場があるので、車を港に置いておいて人だけフェリーに乗船することも可能です。
・宇野港へ行く場合
- 瀬戸中央自動車道:「水島IC」から約45分
- 山陽自動車道:「岡山IC」から南へ約1時間
- 山陽自動車道:「備前IC」から岡山ブルーライン経由で約1時間
・高松港へ行く場合
- 高松自動車道:「高松中央IC」から北へ約25分
- 高松自動車道:「高松西IC」から北へ約25分
3.直島のレポート
それでは直島の見所等について、レポートしていきたいと思います。
3−1.直島へ行く
まずは宇野港からフェリーに乗船して宮浦港へ向かいます。
車で直島に行く場合は待機スペースが1から8レーンまであるので、係員の方の誘導に従って順番に並んで停車します。
宇野港でまずは乗船券を購入。
この建物の中で窓口もしくは券売機で乗船券を購入します。車も一緒に乗り入れる場合は窓口のみの対応になります。
僕は車も一緒に乗り入れるので車料金込みの乗船券を購入しました。
ちなみに宇野港から宮浦港へ行く場合の乗船賃は下記の通り
大人 | 片道300円(往復割引570円) |
子供 | 片道150円(往復割引無し) |
回数券 | 3000円(11枚綴り) |
自動車も一緒に乗船する場合の料金は下記の通り
〜3m未満 | 片道1,530円 |
3m〜4m未満 | 片道1,960円 |
4m〜5m未満 | 片道2,520円 |
5m〜6m未満 | 片道2,590円 |
一般的な車で有れば上記範囲に収まるでしょうか。車の大きさが大きくなるについて料金もアップしていきます。同乗者がいる場合は別途大人・子供料金が掛かります。
時間になるとフェリーが港に入港してきます。
徒歩で乗船する場合は向かって左側から順番に乗り込んで客室の方に向かいます。車でフェリーに乗り込む場合は、係員の方が船内の1から4レーンのどの列に行くのかを誘導してくれるので、それに従って乗り込んで行きます。乗船中は車の中にいても、降りて客室の方にいてもOKです。船はエレベータも有りますので、車椅子の方でも問題なく客室の方へ移動することができます。
3−2.直島へ上陸
宇野港から約20分で宮浦港へ到着です。
宮浦港の周辺はこんな感じ
夕方に撮った写真なのでちょっと夕日掛かっていますが
広い原っぱとお洒落な外観の港ですね。周辺の景色を見てみると
こんな景色や
このような景色が広がっています。いや〜、良い感じの景色ですね。
3−3.アート巡り
島内に点在している屋外作品を巡ってみます。
草間彌生「赤かぼちゃ」
直島で最も有名なオブジェと言えばこの草間彌生作の「赤かぼちゃ」ですね。
「赤かぼちゃ」は宮浦港周辺にある巨大なオブジェなので、場所はすぐに分かると思います。中がくり抜かれているので、中に入って写真を撮ることも出来ますよ。
宮浦港のお土産物売り場でこのオブジェのキーホルダーも売っていました。
藤本壮介「直島パヴィリオン」
これも比較的大きなオブジェで宮浦港から5分程歩いたところにあります。ちょっと離れていますが、宮浦港から見えるところにあるのですぐ見つけられるかと思います。
中に入れるようになっているので、子供を連れて行って遊んだりすることもできます。夜はライトアップされていて凄く綺麗でしたよ。
これがライトアップされると
こんな感じです、良いですね〜。
ジョゼ・デ・ギマランイス「BUNRAKU PUPPET(ぶんらく パペット)」
宮浦港から先ほどの「直島パヴィリオン」に行く途中にあるのがこの「BUNRAKU PUPPET」です。
このオブジェは香川県の無形文化財に指定されている「直島女文楽(なおしまおんんらぶんらく)」からインスピレーションを受けており、女性ならではの所作の美しさや人形の裾さばきを表現しているそうです。
ちなみに制作した「ジョゼ・デ・ギマランイス」はポルトガルの芸術家で、日本の他にも母国ポルトガルやドイツなど世界各国に作品があるそうです。
この作品も夜は幻想的にライトアップがされます。
草間彌生「南瓜」
2021年8月の台風9号で吹き飛ばされて破損してしまった「南瓜」ですが、2022年10月4日に復元されました。写真の「南瓜」はその復元された新生「南瓜」になります。
新生「南瓜」は前のものよりも素材を厚くして耐久性を高めるなど新たに防災対策を施してあるそうです。
宮浦港にある「赤かぼちゃ」よりも小さく、中に入ったりすることは出来ません。
「南瓜」はベネッセハウス近くの海岸沿いに有り、誰でも見に行くことが可能です。周辺の景色はこんな感じ
海が綺麗ですね〜。この海岸沿いを進んでいくと
短い桟橋の先端に鎮座する「南瓜」が見えてきます。
ちなみに、この「南瓜」は直島の南側にあります。
宮浦港からも直島(本村)港からも少し離れた場所にあるので、ここまでは町営バスで「つつじ荘」で下車して行くか、自動車に乗って行くことをおすすめします。
ちなみに島内で自転車をレンタルすることもできるので、自転車で周りの景色を楽しみながら行くのも良いかもしれません。
徒歩で行く場合は宮浦港から約50分(約4km)、直島(本村)港から約25分(約2.0km)です。
「おやじの海」の歌碑
アートではないですが、「南瓜」がある海岸近くにあるのが演歌「おやじの海」の歌碑。
「おやじの海」歌っているのは村木賢吉さんで1972年に自主製作された楽曲だそうです。当時父親が働いていた三菱マテリアルに入社して直島へ転勤になった村木さんは、同じ職場で働いていた佐義達雄さんと意気投合し、佐義さん作詞作曲でこの曲がリリースされました。
それから6年後に北海道の有線放送で人気に火が付き、瞬く間に全国に広がりその年の大ヒット曲となったそうです。
その後1998年に直島町文化協会からの寄贈でこの歌碑が建てられたのですね。
この歌碑の前にあるボタンを押すと「おやじの海」を聴くことができます。
三島喜美代「もうひとつの再生 2005-N」
山道の中にポツンと鎮座しているのがこの巨大ゴミ箱オブジェ「もうひとつの再生 2005-N」
この作品は産業廃棄物の処理後に残った溶融スラグとタイル工場から出た廃土を使って製作されたオブジェで、大きな鉄製のゴミ箱に古新聞やチラシが入れられています。この捨てられた新聞やチラシは、私たちが多くの情報と廃棄物に囲まれて過ごしているということを表現したものだそうです。
この「もうひとつの再生」は、地中美術館やベネッセハウスから北方向の山道の途中にあります。
このような山道を進んでいくと見えてきます。
この場所も宮浦港や直島(本村)港から離れているので、自動車やレンタサイクル等で行かれることをおすすめします。
ちなみに、徒歩で行く場合は宮浦港から約35分(2.8km)、直島(本村)港から約20分(1.5km)です。
この近くには「桜の迷宮」という安藤忠雄さんが監修した桜並木の広場があるので、桜の季節に一緒に見に行くのも良いかもしれませんね。
この他にも直島島内には沢山のアート作品があります。機会があればもっと探索していきたいと思います。
3−4.美術館巡り
島内には更に沢山の美術館が点在しています。
その中でも代表的な美術館が「地中美術館」ではないでしょうか。(詳しくはこちら)
地中美術館はその名の通り建物の大半が地中に埋まっており、瀬戸内海の景観に配慮した造りになっています。この建物の設計ももちろん安藤忠雄さんが手掛けられています。
この美術館はモネなどの有名画家の絵画や多数の空間アートを鑑賞することが出来ます。
僕自身まだ行ったことがないので、是非時間を見つけて行ってみたいと思っています。
地中美術館は予約制の美術館なので、専用ページから事前に予約をしてから行って下さい。
(予約はこちらをクリック)
その他の美術館については下をご参照下さい。いずれも安藤忠雄さんが設計をされた美術館です。
3−5.島内で宿泊
島内には観光客が安心して滞在できるよう宿泊施設も充実しています。
僕が仕事で直島を訪れるときは岡山市内で宿泊するので、直島内であまり宿泊することはないのですが、その中でも印象に残った宿泊施設を2カ所ご紹介します。どの宿泊施設も非日常を味わえる興味深いところばかりでしたよ。
・直島ふるさと海の家 つつじ荘
「つつじ荘」は直島の南側の海岸沿いにある、和室仕立てのコテージ・トレーラー・パオの3種類から選べる集合宿泊施設です。
僕はこの中でパオを選んで1人で宿泊したのですが、広すぎてかなり持て余してしまいました。
お風呂とトイレはコテージ以外には備わっていません。トイレは共同トイレでを利用し、お風呂は貸切風呂を予約するかコイン式のシャワーを利用することになります。
また、トレーラー・パオについてはテレビが無く、パオに至ってはエアコンが備わっていません。なので、パオに泊まる際は季節をかなり考える必要があります。
僕はパオには寒い時期に宿泊しました。室内は暖房が効いていて暖かく過ごせたのですが、シャワーを浴びに行く道中が凄く寒かったのを覚えています。夏はかなり室内が暑くなるそうなので、パオに宿泊される際は秋か春の時期をおすすめします。
現在では全室フリーWi-Fiが完備されていますので、データ通信は問題無さそうですね。
大勢の友達とワイワイ過ごすなどの目的で利用するのに最適な施設かなと思います。
アクセス
- 住所:〒761-3110 香川県香川郡直島町352-1
- HP:こちらをクリック
・民宿 おうぎや
「民宿 おうぎや」は友達の家や奥さんの実家に泊まりにきたような感覚で、アットホームな空間で過ごすことができました。
お兄さんがいるフロントで受付してチェックイン。
施設の外観はこんな感じ
宿泊した部屋はこんな感じ
ここまでは普通の民宿かなと思っていたのですが、ここの夕食が豪華でびっくりしました。
となりのレストラン「REGAL」で夕食が食べられるということで行ってみたところ
なんかお洒落なレストランだな〜と思いつつ入店、ジャージ姿だったのでちょっと気が引けました。
すると、さっきフロントにいたお兄さんが本格的なシェフの姿をして登場!ジャージ姿の僕に次々とコース料理を振る舞ってくれました。
こんなお料理や
こんなお料理や
こんなお料理を堪能させて頂きました。まさか直島で本格的なコース料理を食べられるなんて思いませんでした。凄く美味しかったです。
※2023年3月を目処に現在のシェフの方が持病により引退されるそうです。ゆっくり休養しれ早く回復されると良いですね。
アクセス
- 住所:〒761-3110 香川県香川郡直島町宮ノ浦518-14
- HP:こちらをクリック
3−6.島内唯一のコンビニ
直島には1軒だけ「セブンイレブン なおしま店」が有ります。
直島で非日常を味わうのも楽しいですが、やっぱりコンビニがあると安心ですよね。
ただし営業時間は24時間ではありませんので注意して下さい。(営業時間6:30〜21:00)
アクセス
- 住所:〒761-3110 香川県香川郡直島町 宮ノ浦1993
宮浦港からであれば県道256号線方向へ徒歩5分(400m)で行くことが出来ます。
4.直島に関する疑問について
直島に関する素朴な疑問についてまとめてみました。
4−1.直島にタクシーはあるの?
直島には2社のタクシーが有ります。
いずれのタクシー会社も乗車には電話で予約する必要があります。尚、これらのタクシー会社は直島の観光地を巡る貸切コースがあるので、チェックしてみて下さい。
4−2.直島でレンタカーは借りられる?
下記で島内でレンタカーを借りることができます。
「ふうちゃんレンタカー」については「民宿ふうちゃん」の宿泊者限定みたいですが、状況次第でレンタル可能かもしれませんので、ダメ元で聞いてみるのも良いかもしれません。
4−3.直島でバイクレンタルはしてるの?
自動車より気軽に走れて自転車より機動力のあるバイクについても島内で借りることができます。
・TVC直島レンタル
・おうぎや
- 予約:こちらをクリック
4−4.ガソリンスタンドは有るの?
島内にあるガソリンスタンドは下記です。
直島の北の方に「重石SS/直島石油(有)」というガソリンスタンドがありますが、三菱マテリアルの私有地の中にあるので、観光目的の方は行くことは出来ません。
・ENEOS/直島石油(有)直島SS
このガソリンスタンドは宮浦港から県道256号線方向へ400mぐらいの場所にあります。
・木村プロパン(COSMO)
このガソリンスタンドは直島(本村)港から西へ900mぐらいの場所にあります。
5.まとめ
以上、長くなりましたが瀬戸内海に浮かぶアートの島「直島」についてご紹介させて頂きました。
直島にはアートをはじめ、様々な場所やグルメなどの魅力が沢山詰まっています。
僕は約10年間で何回も直島を訪れていますが、見切れていないところがまだまだ沢山有るので、特に美術館を中心に巡ることが出来ればと思っています。
このブログをきっかけに1人でも直島のことを知って頂き、直島の魅力を感じに来てもらえれば幸いです。
お近くにお住まいの方・お立ち寄りの機会がある方は是非足を運んでみて下さい。
ありがとうございました。